病棟で働いていると、外来の看護師ってどんな仕事内容なのか知りませんでした。
”診察室に患者さんを呼び込んでいる”だけなのかな…と正直思っていました。
でも、外来に配属されて1年半経ちますが、たくさんの仕事や役割があることを知りました。
外来看護師に興味がある方や、外来に異動を考えている方に外来での日勤の看護師の1日を知ってもらい、少しでも参考になったらなと思います。
8:30 始業
ミーティング
・各スタッフの配置確認
・入院、イレギュラーな処置(腹水・胸水穿刺、アテローム切開、褥瘡処置など)の予定確認
・内視鏡検査、点滴や注射の予定確認
・委員会や話し合いの予定
などをスタッフが全員で確認し合います。
9:00 診察開始
・診察室担当
患者さんの呼び込みがメインになります。基本的には予約の順番にお呼びしますが、優先順位を考えて呼び込みます。待合室で待たれている患者さんを観察し、体調が悪そうであれば順番を早めます。初診であっても、問診票に書かれている症状からアセスメントし検査が必要になるな…と予測できれば、早めに呼び込むこともあります。
また、事前に他院からの検査データを持って来られた方は受け取ったり(受付でお預かりしていない場合)、お薬手帳をお預かりしたり診察がスムーズに進み、患者さんの待ち時間が少なく済むようにするための配慮が必要になります。
内科の診察であれば、聴診や触診、血圧測定の介助、予防接種の準備。
外科の診察であれば、創部観察や処置の介助。
整形外科の診察であれば、ギプス巻きやシーネ固定、コルセットや装具装着の介助やその他の診察の介助。注射の準備、介助です。
また、車椅子や杖歩行の方などが診察室に入られる際の介助ももちろん必要です。難聴や聴覚障害の方への筆談や、内容によってはDrの説明を少し噛み砕いて分かりやすいように再度説明したりもします。診察室内だけでなく待合室の患者さんの様子も呼び込み時に観察し、体調が悪そうであれば点滴室のベッドへ移動してもらったりとたくさんの配慮や気づきが必要になります。
診察室の介助は簡単な様に見えて、頭の中で色んなことを考えながらアセスメントする力が必要です。
・感染症外来
私が外来で働きだしたのはコロナが流行してからなので、それ以前のことはわかりませんが今は多くの医療機関に”感染症外来” ”発熱外来”は設けられているんじゃないでしょうか。
私がいる病院の感染症外来は風邪症状や下痢・嘔吐など感染症症状がある患者さんを対象に診察します。基本的には電話予約優先で、受付窓口や診察室は別室で行います。問診はWEBから入力してもらったりと接触を最小限にし、感染の拡大を防ぎます。
コロナやインフルエンザ、最近であればマイコプラズマ肺炎の抗原検査などを行います。
感染症の検体検査をする際は、必ずゴーグル・マスク・ガウン・手袋を装着しスタンダード・プリコーションを徹底します。使用した体温計や筆記用具などの物品は全て消毒し、感染症外来の部屋から出る際は手洗い・手指消毒は欠かしません。
・採血室、点滴室担当
病棟と比べ、採血をする頻度が多いのも外来看護師の特徴ですよね。採血をしない日はほぼありません… 苦手意識があった採血も、毎日していると慣れてきました(笑)外来に配属されてよかったなと思うことの一つでもあります。
私の勝手な先入観ではありますが、「外来で働くと”ルート確保する機会”」が少なくなりそうと、手技を忘れてしまう心配をしていたんですが、なんなら病棟にいる頃よりもルートキープする機会が増えました。造影CTや入院は必要ないけれど、点滴して帰宅する患者さんも多くてルートキープの腕もあがったんじゃないかと自分では思っています。(笑)
・内視鏡
胃カメラ、大腸カメラの準備・介助・片付けです。
内視鏡は今までしたことがなく、手技を覚えるまで大変でした。カメラを施行するのはもちろんDrですが、カメラの準備や患者さんの前処置や記録、片付けなど内視鏡担当の看護師はすることがたくさんあります。
また、別の記事で詳しく書きたいと思いますが、内視鏡の介助につけるようになった事が外来に配属されて1番よかったことだと思っています。
・救急、入院担当
私が働く病院は二次救急なので、そこまで重症の患者さんは搬送されてきませんが、救急対応は必須です。外来に配属されて一番不安だったことです…
簡単に分類すると
初期救急:病気やけがの程度が軽い患者さんを対応
二次救急:初期救急医療に加えて中等症・重症の患者さんを対応し、入院が必要な場合も対応
三次救急:二次救急では対応困難な重症の場合(心肺停止、重度外傷、脳卒中、心筋梗塞、広範囲熱傷 など)を受け入れる
病院によって救急看護師と外来看護師が分かれているところもあると思いますが、私が働く病院は比較的小規模で外来看護師が救急担当も担っています。
リーダーから聞いた搬送されてくる患者さんの情報を基に受け入れ準備を行い、すぐに観察や処置ができるように体制を整えます。救急隊から得た情報で、今の状態を予測する事が必要になるので、アセスメント能力が身に付きます。搬送されてからは、様々な処置や検査がDrから指示され、適格で迅速な手技・看護が必要です。
12:00 休憩
午前診察は12:30までですが、患者さんの診察が終わるまでなので診療科や日によって午前診察の終了時間は異なります。
なので病棟と比べ、休憩時間は不規則です。救急や入院を担当していれば、午後から何か決まった業務がない限りは最後まで担当します。午後から入院が振られているスタッフは早めに休憩へ行ったり、入院担当しているスタッフは、病棟へ患者さんを上げて申し送りをし、記録が終わってからなので14:00に休憩に行ったりとバラバラです。
他の病院によって違いはあると思いますが、救急対応をしている外来では決まった時間に休憩は難しそうだな…と思います。
余談ですが、他の記事にもあるように私は大勢でいるよりも一人が好きなので、休憩時間のストレスが無くなったのは本当に大きいです。
13:00~16:00 午後診察の準備
午後の診察は16:00からです。
それまで感染症外来、内視鏡は午後診察と関係なく行っているので昼休憩を終えたスタッフが割り当てられて担当します。
救急対応をしたり、救急車を使ってくるほどではないけれど、怪我や何か症状があって時間外受診される方も多いのでDrと時間を調整し診察・処置します。
何もなければ、物品や薬剤のカウントと補充、シーツ交換、ごみ捨てをしたり、勉強会や委員会への参加もこの時間です。明日以降の自分の担当も既に割り振りされているので情報収集するのもこの空き時間ですね。
病院や時期にもよりますが、私の働く病院はインフルエンザやコロナの予防接種も行います。
16:00 午後診察開始
午後の診察は午前よりも少なく診療科は2~3つほどで、午前より業務量は少ないのですが、16時に帰るパートのスタッフもいるので終業までのこの1時間が何気にバタバタします…
午前と同じで診療科について診察介助します。遅出スタッフと夜勤の看護師が担当しますが、夜勤スタッフが16:30から情報収集したり薬剤カウントをしている間は日勤スタッフが診察介助をして、最後に夜勤者へ引き継ぎます。
17:00 終業
救急対応や入院がない限り、基本的には残業はなく定時に帰ります。病棟にいるときは定時ピッタリに帰るなんて稀でしたね…。ただ、これも一概には言えなく、病院によっては外来でも残業が多いところはあるのかもしれません。
以上があくまでも私の働く病院の一例にはなりますが、日勤の外来看護師の1日です。
イレギュラーな事が多く、というか毎日いろんな事が起きますし外来に配属されて思ったのは、外来スタッフのみなさんは咄嗟に状況を判断しアセスメントする力が凄いです。
”外来”ってどんなことをするのかいまいちわからないという人も多いと思いますが、この記事を読んで少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
目まぐるしい毎日ですが、私ももっと勉強してたくさん経験していきたいと思っています。
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